赤ちゃんはミルクで太る?正しい粉ミルクの与え方

赤ちゃんはミルクで太る?正しい粉ミルクの与え方

赤ちゃんが生まれて子育てがスタートすると、「粉ミルクは赤ちゃんが太る」という言葉を誰もが一度は耳にしたことがあるはずです。はたしてその真相はどうなのでしょうか?

ここでは、赤ちゃんの肥満と粉ミルクの関係と、粉ミルクの適切な与え方について詳しく説明していきます。

粉ミルクで育った赤ちゃんは肥満傾向にあるって本当?

粉ミルクで育った赤ちゃんは、母乳だけで育った赤ちゃんよりも「太りやすく」なるのは事実です。

近ごろの粉ミルクは、比較的母乳に近い成分で作られていて、栄養の面では遜色ないと言われています。では、母乳と粉ミルクの成分は何がちがうのでしょうか。一番の特徴は、母乳は「低タンパクで高脂質」なのに対し、粉ミルクは「高タンパクで低脂質」だということです。

また、母乳には消化を助けるための酵素が含まれていますが、粉ミルクには含まれていません。つまり、粉ミルクは高タンパクの栄養が蓄積されやすい状態になるというわけです。それにより、体内では「グレリン」とよばれる成分が増えていき、体脂肪が蓄積されやすい環境がつくられてしまいます。

一方、母乳には「レプチン」という、脂肪細胞が増えるのを抑える働きをする成分が含まれています。このレプチンは食欲を抑える働きもするため、赤ちゃんは母乳を必要以上に飲み過ぎないように、コントロールすることができるのです。

母乳は赤ちゃんが欲しがるだけ飲んでも飲み過ぎるということはありませんが、粉ミルクにはレプチンが含まれていないため、なかなか満足感を得ることができません。ミルクを飲ませている親も、哺乳瓶が空になるまで飲ませ続けてしまうため、栄養過剰になってしまうことがあり、結果として太りやすい赤ちゃんになってしまうというわけです。

粉ミルクを与える場合のポイント

粉ミルクは太りやすいというのは事実ですが、赤ちゃんに合った適切な与え方をすれば肥満を予防することも可能です。気をつけたいポイントは以下の3つ。

飲み残しをもったいないと思わないこと

せっかく作ったミルクがもったいないから…という理由で、哺乳瓶に入っているミルクをいつまでも与えてしまうのはNG。赤ちゃんがミルクを飲む様子をしっかり見ながら、満足しているようであれば、飲み残しがあっても途中で切り上げるようにしましょう。

粉ミルクを早々に卒業しないこと

粉ミルクを卒業して早めに離乳食をはじめるのは、肥満のリスクを高めてしまう原因となります。理想とされる離乳食のスタート時期は生後6ヶ月以降とされていますが、これを4ヶ月で粉ミルクを卒業して離乳食をはじめると、小児肥満のリスクがおよそ40%上がると言われています。

就寝前に粉ミルクを与えない

粉ミルクは腹持ちが良いため、寝る前に飲ませると赤ちゃんが朝までぐっすり寝てくれる…という話をよく耳にします。ですがこれは、小児肥満のリスクが高まる原因のひとつ。哺乳瓶でミルクを与えながら赤ちゃんを寝かしつけることは、やめた方が賢明でしょう。

赤ちゃんの体重が異常に増加していたら

赤ちゃんは日々成長していますから、体重の増加が著しいことも決して珍しいことではありません。とはいえ、体重の増え方が異常に多い場合には注意が必要です。まずは小児科で相談をしてみて、ミルクの与え方などに問題がないかどうかをチェックしてみると良いでしょう。

赤ちゃんの体重増加に関しては、それほど神経質になる必要はありませんが、市町村の保健センターなどで無料の身体測定を行っているところも多くありますので、定期的に体重をはかり、成長曲線と見比べてみることもおすすめです。

母乳神話の根強い日本ですが、最近の粉ミルクは各メーカーの努力によって、母乳にかなり近い成分で作られています。何が何でも母乳で!とストレスをためてしまうのではなく、適切な与え方をしっかりと理解した上で粉ミルクを取り入れてみるのも方法のひとつではないでしょうか。

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